品種によって、つくる人によって全然違うのが国産小麦
「おおいたのパンと小麦プロジェクト」から派生した今回のマーケットのテーマは「おおいたの大麦・小麦祭り」。
パン、おやつ、麺、親しまれている小麦ですが、おおいたOrganic Marketで販売されている小麦は、大分の大地から育つ「地粉」は国産小麦、の表記で終わらずに、「誰が作った」「どんな品種」までたどることができます。 また、誰でも炊けるお米と違い二次加工が必要な小麦粉は、良い品質の商品を目指すためには、生産者と加工者が手を取り合ってよりことが大切になります。
マーケットでは誰がどこで、どんな思いで小麦・大麦を育てているのか知ることも、またその人に会うこともできます。同じ品種の小麦でも育てる人によって味も香りも全く違うんです。農家さんの思いを受け継いで作るパンやおやつも味わえます。地粉を使いこなせるプロのパン屋さん、料理人のみなさんに、家庭で作るコツを聞いてみて下さい。新たな発見があって楽しいですよ!
大分県産の有機・自然栽培の小麦の天然酵母の添加物不使用のパンを給食に
「おおいたのパンと小麦」プロジェクトの最終目的は、大分県産の有機・自然栽培の小麦の天然酵母の添加物不使用のパンを給食に導入すること。2013年から毎年進捗状況を報告するイベントを開催してきましたが、今年は開催できませんでした。誰もが使いやすい「地粉」にするには製粉が鍵で、どうしても予算の壁が超えられなかったからです。
でも今回は、個人で1トンの小麦を自然栽培して製粉会社で製粉した火水風土さんの小麦粉を紹介することができます。「個人で1トン」というのはすごいことです。できた石臼挽きの小麦は香り高く、パンも十分に膨らんで、甘味があります。
製粉会社で製粉するときは厚生労働省の定めた赤かびの含有量の基準値の規定があります。火水風土さんは赤かびという微生物を殺菌するための予防剤を一切使わずに、観察に観察を重ねて、赤かびという微生物を微生物で制することに成功しました。
その他にも小麦の生産者さんが出店しています。みなさんがご家庭でうまくパンやおやつができたら、国産小麦でも大分県産小麦でもなく「古長さんの」「下村さんの」「深瀬さんの」「火水風土さんの」「是恒さんの」小麦、など、生産者さんの名前で呼んでもらえたら嬉しいですね。
品種別の特徴
今回のマーケットでは、小麦と小麦粉だけでなく、需要の増えてきた大麦と大麦粉も紹介します。販売される品種とざっくりした用途についてのご紹介しましょう。
【小麦粉】
ミナミノカオリ・・・強力粉 グルテン多め パンなどに使用
農林61号・・・中力粉 焼き菓子 麺類(うどん・やせうまなど)・蒸しパンなど
チクゴイズミ・・・中力粉 焼き菓子 麺類(うどん・やせうまなど)蒸しパンなど
【大麦粉】
赤神力・・・お菓子・シフォンケーキやクッキーなど 宇佐オーガニックファーム
同じ品種でも育てる生産者によって味も香りも特色も違ってきます。マーケットでおなじみの料理人のみなさんに、使用感を聞いてみました。
チクゴイズミ
かめやま農園さん(臼杵市):薄力粉に近く、スポンジケーキも軽く仕上がります(岩田さんの台所・おやつさん)
下村農園さん(臼杵市):バケットも焼ける(ぶらぼぅCafe 堀米洋シェフ)
ミナミノカオリ
火水風土さん:パンのふくらみがよく、香りもよく、甘味がある!(hibino)
農林61号
是恒さん:カンパーニュが香ばしく焼け、エネルギーがある(二ドムさん)
自分の感覚を大事にするパン作り、おやつ作りをしているみなさんの感想はとてもリアルですね。分量がこうだから、こうできるのがあたりまえではなく、使う方が五感を使って、酵母と水加減や塩加減をみながら、確かめながら美味しくパンやおやつを作っているのがよくわかります。
農産物は工業製品ではありません。 「小麦粉」というひとくくりから離れてみると、味わい深い個性が豊かな世界が広がっています。
もちろん、いつものように旬のお野菜もそろいます。全ての出品品目は化学合成農薬、化学肥料を不使用で栽培された農産物です。 今回も生産のプロ、加工のプロがそろいます。 沢山、たくさんおしゃべりして下さい。
豊かな秋の日をぜひご一緒に! お待ちしています。
おおいたの大麦と小麦祭り〜第59回おおいたOrganic Market〜
日程:2017年10月14日(土)
時間:9:00~13:00
場所:大分駅北口・オアシス並木通り商店街(ガレリア竹町西出口)